■ホンダ・エイブの歴史

ホンダ・エイプ (Ape) は、本田技研工業が製造しているオートバイ。シリーズ車種として排気量50ccの「エイプ50」(型式:JBH-AC16)と同100ccの「エイプ100」(同:EBJ-HC07)、およびエイプ50TypeD」(同:EBJ-AC18)と「エイプ100TypeD」(同:EBJ-HC11)が販売されている。

●2001年 エイプ発売

エイプ50は2001年2月、ホンダ・Nプロジェクト第1弾として発売された。2002年2月にはエイプ100が追加販売されている。スタイルはトラッカーともネイキッドとも取れる独特なもの。エンジンはCB50系の空冷4ストロークSOHC単気筒だが、CB50に比べ大幅に低回転域のトルクを重視したデチューンが行われている。またエイプ100にはダブルシートとタンデムステップが装備されている。

ホンダ・エイプ50

発売以来、カラーリングの変更等のマイナーチェンジを繰り返している。ユーザーの多くは若者だが、多くのカスタムを施している中高年ユーザーも存在する。ある種ネイキッドに近いスタイルを生かして、レース仕様にしているユーザーも多く見られる。かつて発売されていた後発のXR50 (100) モタードとの大きな違いは外装、ブレーキ(ドラム)、フロントフォーク、スイングアーム、キャブレター等である。

XR100Rを流用したフレーム、太めのタイヤ、ニュートラルなハンドリングは、見かけによらず優れた操縦性があり、ビギナーでもタイヤの端まで使って倒しこんで走る事が出来るなど完成度は高い。その反面、装備面に若干の難があり、シール無しチェーンを使用している(すぐ伸びる)、フロントフェンダーがただの飾りに過ぎない(雨天走行するとフロントタイヤが跳ね上げた水しぶきをまともに顔面に受ける)などがある。素質は悪くはないので、カスタムベース車としての評価は高い。

50ccは2007年12月7日にモデルチェンジされ、自動車排出ガス規制(平成18年国内二輪車排出ガス規制)に対応させるためエンジン系統に燃料噴射装置と触媒を装備させたが、カタログ上の性能値はほぼ維持された。また燃料噴射装置の搭載により、バッテリーを搭載した。その他、車体色も変更されている。

100ccも2008年1月25日にモデルチェンジされた。自動車排出ガス規制(平成19年国内二輪車排出ガス規制)への対応は50ccと異なり、触媒の装備とキャブレターのセッティング変更、二次吸気供給装置などで対応させた。その他に、バッテリー搭載、スパークプラグにイリジウムプラグの採用などがある。

 

 

●TypeD

エイプのバリエーションモデルであり、前後輪にディスクブレーキを装着させたアルミキャストホイール仕様となっているが、これは入れ替わりで販売が終了したXR-Motardの装備と同一であり、事実上のモデル統合となっている。なお100ccは2008年9月25日に発売され、次いで50ccも11月20日に発売された。

ホンダ・エイプ・TypeD

●デラックス

エイプのカラーバリエーションモデルで、通常のエイプのボディカラーが単色なのに対し、こちらは2色以上でカラーリングされているのが特徴。ボディカラーはオリジナルのものから、かつての名車をモチーフにしたものまで様々で、こちらもマイナーチェンジごとにボディカラーの設定が入れ替えられてきた。その他にも細かい点で通常のエイプとの差異があり、実質的にエイプの上級モデルという位置づけだった。排出ガス規制によるモデルチェンジ後も存続したが、TypeDの登場と同時に廃止された。このため、デラックスの排出ガス規制対応モデルは登場から1年も経たずに生産終了となった。

●車名の由来

エイプ (Ape) とは、英語で類人猿の意。「あらゆる人に最も近い動物として、気軽に乗れる身近なオートバイ」をイメージしている。これはそれまでに発売されたホンダ・モンキー、ホンダ・ゴリラよりも「進化したもの」と言う意味で名づけられた。 また、直立猿人と直立エンジンをかけているともされる。

ホンダ・Nプロジェクト
ホンダ・ズーマー
ホンダ・バイト
ホンダ・ソロ

 

Update 2016/06/01  Create 2010/10/10

 

 

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