■バイクのゴム部品

バイクのゴム部品とは、タイヤはもちろんですが、ほかにも、フロントフォークのダストシールやブレーキマスターのダストシール、サイドカバーやタンクの固定・防振に使われるグロメット類、各種オイルシールやOリングなど、細かい所に多く使われている。それらの特性と劣化防止について。

●バイクのゴム部品

外装から各機能パーツの内部、エンジンの中まで、ゴム製部品はありとあらゆる場所に使われています。

一口に「ゴム」と言ってもその種類はさまざまで、それぞれに「に強い」「に強い」「溶剤に強い」といった特性があります。

しかし、いかなる物質の影響も受けない、万能ゴムはこの世に存在しません。製品になった瞬間から劣化が始まっていると考えていいでしょう。


●ゴム劣化の要素

前述のように一見同じに見えるゴムでも特性はいろいろなのですが、ゴムが基本的に苦手とするものがあります。その主だったものが、熱、太陽光線、オゾン、残留塩素、オイル等の油脂類、ガソリンやアルコール等の溶剤類といったところ。

先に「○○に強い」と書いたものばかりですが、元々その物質に弱いがために、その部分の耐性を高めたゴムをあえて「○○に強い」と書くわけです。寿命が劇的に延びるわけではないが…熱、太陽光線、オゾンなど、通常使用する中で防ぎ切れない劣化物質がいくつかあります。

それだけに、触れさせないで済む劣化物質はできるだけゴムに接触させないようにすることが、長持ちさせるひとつのポイントになります。

汚れたからといって安易にパーツクリーナーをスプレーしたり、ガソリンを含ませたウエスで拭いたりしないことが大切です。

水も必ずしも安心ではなく、水道水に含まれる残留塩素がゴムを劣化させます。溶剤のようにすぐに影響が出るわけではありませんが、「水は大丈夫」という認識だけは捨てた方がいいでしょう。さて、ここまでは降りかかって来る火の粉を振り払う、いわゆるパッシブ(受動的)ケア。

 

 

●ゴム類のメンテナンス(保護)

積極的にゴムを保護する、アクティブ(積極的)ケアを考えてみましょう。

具体的にはゴムの表面をケミカルで保護し、様々な劣化物質から守ります。ゴムや樹脂に悪影響を与えることなく保護できるケミカルと言えば、「シリコン」の右に出るものはありません。

シリコン系ケミカルは、大きく3種類に分けられます。「ポリメイト」や「アーマオール」(いずれも製品名)に代表される、樹脂やゴム製品を対象としたいわゆる保護ツヤ出し剤。ドライタイプの潤滑剤として知られる、エアゾールスプレー式のシリコンスプレー。整備時に使用するペーストタイプのシリコングリース、の3種類です。

保護ツヤ出し剤は使い勝手には優れますが、風雨にさらされるバイクの場合は、すぐに効果が落ちてしまう傾向があります。

シリコングリースは耐久性こそ高いものの、ひとつひとつの部品に指で薄く塗り広げる手間があり、正直言って面倒です。シリコンスプレーは、その中間的な性質と考えてもらっていいでしょう。用途とニーズに合わせてチョイスしてみてください。

ちなみに保護ツヤ出し剤は、ホームセンターやスーパーで安価に手に入ります。
シリコンスプレーとシリコングリースはバイク用品店やホームセンターで手に入りますが、ブランド名や製品面を前面に押し出した製品よりも、ホームセンターの塗装用品コーナーや潤滑剤コーナーでひっそりと売られている汎用品の方がお買い得です。覚えておいてください。

タイヤを含め、CRC5-56は、ゴムの劣化対策には、かなり有効になってるようです

 

Update 2016/05/01  Create 2010/10/10

 

 

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