■PP樹脂の加工
バイクやスクーターに多用されているPP樹脂(ポリプロピレン)とはどんな物だろうか?どんな性質がありどの様に対応すれば加工・修復・艶出しが可能なのだろうか?
●PP樹脂(ポリプロピレン)とは
ポリプロピレン (polypropylene) は、プロピレンを重合させた熱可塑性樹脂であり、スクーターのプラスチック部品は、多くががPP樹脂で作られている。汎用樹脂の中で比重が最も小さく、水に浮かぶ。強度が高く、吸湿性がなく、耐薬品(酸、アルカリを含む)性に優れている。しかし、染色性が悪く、耐光性が低い為、ファッション性の高い服地の繊維用途には向かない。
●代表的なPP樹脂の製品
スクーター ~ 外装、エアクリーナー
自動車 ~ インストパネル、ピラー、バンパー、サイドモール、ウオッシャー液タンク、ワイヤ―ハーネス
日用品 ~ タッパーウェア、ごみ箱、バケツ、百円ショップで売っている小物入れ等
●切断する
柔らかいプラスチックなので、厚い部分でもノコギリであれば充分に切れます。薄い部分であればカッターで切れますが、以下のホットナイフがあれば綺麗に、迅速に切断、穴あけが可能です。
・ホットナイフ
ハンダコテの先端がナイフになっているもの。ホームセンター等で1,500円ぐらいで売っています。
●接着材
コンビニや百円ショップで売っている物のほとんどは、注意書きにPP樹脂は接着しない旨の記述があります。PP樹脂樹脂の接着材は少し特殊であるがホームセンターで売っており、一般的には3種類あります。
セメダインPPX
接着剤:3g プライマー:6g 店頭価格1,200円程度
プライマー(接着力強化剤)と接着剤の構成。
用途
ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーンゴム、ポリアセタール、フッ素樹脂が使用されている箇所の接着・補修
スコッチ プレミアゴールド スーパー多用途
容量20g 店頭価格400円程度
接着できるもの
金属、プラスチック(ポロプロピレン・ポリエチレン・軟質塩化ビニルを含む)、合成ゴム(EPDM、シリコンゴムを含む)、木、皮革、陶磁器、タイル等
接着できないもの
貴金属、食器、高価格品
ボンド GPクリヤー
容量170ml 店頭価格800円程度
1液で、価格も安く、容量も多いので試しに購入・使用してみた。以下はパッケージの説明書きである。
用途
ポリプロピレン、ポリエチレンシート・ナイロンシート、ABS樹脂、FRP、皮革・ゴム・布・木
使用方法
・接着面のゴミ・さび・油を落とし、乾燥させる。
・木材の凹凸はカンナなどで平滑にし、金属面の錆は紙やすり等で研磨する。
・はけやへら等で接着する面に均一に塗布する。
・吸い込みの多いコンクリートやPC板等の材質には2度塗りをするか多めに塗布する。
・接着可能面積(目安)-0.5㎡/170ml
・貼り合わせ時間の目安 冬(5℃)=5~10分、冬以外(20~30℃)=5~20分
・塗布後、上記の時間を目安に、正確な位置に貼り合わせてハンドローラー、又はゴムハンマーでよく圧着する。
・貼り合わせた物はすぐに使用出来るが、接着強さを必要とする場合は24時間養成する。
Update 2016/05/28 Create 2010/10/10
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