■エンジンオイル添加剤
バイク用品量販店店やアマゾンなどのショッピングサイトを覗くと、実に多種多彩なエンジンオイル添加剤がある。それらは時に刺激的なフレーズでみずからの効能をアピールしている。それは本当にそうなのだろうか?理由は?実際は?
●エンジンオイル添加剤の目的
添加剤なんて、「エンジンオイル+αで買って入れないで、エンジンオイルに入っていればいいのに!」と思ってしまう。
●エンジンオイル添加剤の成分と効用
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一瞬のパワーアップより長く楽しめる高性能を実現するオイル添加剤。
ベーシックなオイル性能をきらに引きあげるべく開発されたオイル添加剤としては、モリブデンやPTFEなどの固体潤滑剤、金属表面に直接反応する塩素系、硫黄系などが知られている。
塩素系添加剤については、部品管理が厳蜜なレース分野では効果があるとされているが、そうした成分が混人したオイルを処一分する際にはデリケートな扱いが求められる。そのため、日本国内では塩素系潤滑剤の製造は禁止されている。
金属表面の改質でエンジン性能を蘇らせる。 オイル添加剤市場で多くのファンを獲得している製品に、パパコーポレーションのスーパーソイルがある。現行車から旧車、国産外車を問わず、さらにレースユーザーにも愛Ⅲ昔が多いスーパーソイルは、どのように開肪されたのだろうか。
●スーパーゾイル
を発売した初期段階では、修理を目的にセールスを行ってきた。その中で、冷間時には始動するが、暖まると止まってしまうような軽い焼き付き状態のエンジンや、シリンダー内に発生したサビでピストンリングが固着したような船舶用エンジンを、再び調子よく稼働できるようにした実績もあるという。
バイクにまつわるエピソードとしては、高回転で運転し続けるために油温が非常に上がってしまう4ストミニ用レースエンジンのオイルに添加したところ、ピストンを通じて高温影響下にさらされる、コンロッド上端のスモールエンドとピストンピンの焼け具合が改善し、分解組み立てがスムーズに行えるようになったという報告がある。
一般的な公道ユースでも、エンジンノイズの低減や回転フィーリングがスムーズになったり、ギアの抜けやすさの改善、シフトタッチの改善といったメリットを挙げるユーザーは多い。
これらは金属表面の改質による効果だが、油膜強度や極圧性の高さもスーパーゾイルの特徴である。そのおかげでシリンダーのシール性が上がってコンプレッションが上がり、ブローバイが減少することでオイルの汚れが少なくなるというメリットもある。
オイル中にスラッジなどが混入しづらくなれば、ベースオイルの性能低下も緩やかになるから、その結果、オイルの交換サイクルも長く設定できるようになるという。
コンプレッションが上がることで、別のメリットも生まれる。コンプレッションが上がるということは燃焼効率の向上につながる。つまりシリンダーに吸い込まれた混合気がきれいに燃えてフリクションロスなどに転換しないため、オーバーヒートが収まるというのだ。これは空冷マルチのビッグバイクや、水冷ながら四方をカウルで囲まれたビッグスクーターユーザーから喜ばれている点だ。また我々サンデーメカニックのように、積極的にエンジン内部の観察を行うユーザーからは、スーパーゾイルによってスラッジが混入しづらくなったエンジンは、開けても汚れが目立たないという意見も聞かれる。エンジンオイルが汚れづらくなるのだから、そのオイルが循環しているエンジン内部がきれいに保たれるというのは、納得できる理屈である。
ではそうした金属改質効果は、どれほど持続するのだろうか。オイル添加剤の性能をアピールするためによく用いられる、チムケン試験機でテストを行ったところ、エンジンオイルにスーパーゾイルを混合したサンプルは大荷重で止まらないのはもちろん、それどころかスーパーゾイルで処理した試験片を脱脂剤で洗浄してテストしても、焼き付かないという。摩擦と熱によって金属表面に定着すれば、脱脂しても効果が持続するのがスーパーゾイルの大きな特徴だ。その成分は脱脂剤をスプレーしながら指で擦った程度では落ちず、ペーパーなどで研磨しなくては取り除かれない。したがって、エンジン内部ならアイドリングから走行数kmで効果が現れ、エンジン以外ではフロントフォークならインナーチューブとスライドメタルの摺動や、クラッチワイヤーに与えれば作動時のワイヤー往復によって定着する。改質された表面は、オイル交換後にも効果は持続するが、エンジン内部の摩擦がゼロになっているわけではないので、初回はエンジンオイル量の10%を添加し、その後はオイル交換3回に1回の割合で10%添加するか、毎回のオイル交換時の3.5%添加が推奨されている。また、スーパーゾイルの効果にすっかり魅了されたユーザーの中には、指定された添加量よりも多量に使いたいという声もあるが、金属表面への定着量や、改質皮膜の厚さはコントロールされているので、入れれば入れただけ定着するわけではない。入れすぎによる弊害はないが、エンジンオイル量に対して10%以上添加しても、それ以上に金属改質効果が見られるわけではない。つまり、経済性を考慮しても10%添加を上限とするのが良いということだ。パパコーポレーションでは、あらかじめスーパーゾイルを添加したエンジンオイルとして、シンセティックゾイルとセミ・シンセティックゾイルを販売しているが、いずれの製品もスーパーゾイルの添加量は10%である。
余談ではあるが、オイル添加剤の中には、添加成分の溶媒として鉱物油やエンジンオイル以外の軽質油を使用している例もある。スーパーゾイルはベースオイルに100%化学合成油を用いているので、例えばエンジンオイルをすべてスーパーゾイルとしても、エンジンにダメージを与えることはない。さらに言えば、スーパーゾイルを10%添加すれば、それだけで鉱物油を部分合成油にグレードアップできる効果もある。排気量の大小や車両の新旧を問わず、多くのエンジンで効果を上げてきたスーパーゾイル。その確かな性能は、圧倒的なリピーターの多さやレースでのユーザー人口、さらに添加剤としては異例の、バイクメーカーの用品カタログへの掲載という形で証明されている。愛車のエンジンをいたわって、ずっと好調なまま走り続けていきたい。パワーアップよりも大切な、エンジンが持つ基本性能を確実に引き出すためのケミカル、それがスーパーゾイルである。
Update 2015/01/01 Create 2010/10/10
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