■2サイクルエンジンオイルの種類・規格
2サイクルエンジンは、エンジン潤滑系統(オイルを各エンジン部品に循環させる機構)がありませんので、吸気ガスに混合させてエンジンに送り込んだり、クランクシャフトなどには直接噴霧したりしています。
●成分の種類
①植物油
植物油とは、コーン油やサラダ油ではなく、いわゆるひまし油。Castor oil。カストロールの由来である。この植物性オイルは強靭な油膜保持性を誇り、現在でもレース用の世界では幅を利かせているようです。大抵は混合専用オイルだが、最近はひまし油ベースでも分離用に使えるものも発売されています。
②鉱物油(ミネラル)
石油を精製する過程で得られるもの。分子量などは厳密にそろえることができないが比較的安価に製造でき、一般的にはこれが多用される。
③化学合成油
化学合成油はナフサを化学的に分解し、必要な成分だけを再合成して作られるものだそうです。最近、高級オイルの成分として名が知られるようになったエステルは植物やら動物の脂肪酸とアルコールから合成されるらしい。
●2サイクルオイルの規格 ※JASO規格 (日本自動車技術会の制定した規格)
規格 | 内容 |
FA | 2サイクルエンジンにとって最低限の性能を有する(現在は廃止) |
FB | FAに比べて特に潤滑性、清浄性に優れる |
FC | FBに比べてさらに排気煙、排気系閉塞性に優れる(ロースモークタイプ) |
FD | FCよりもエンジン高温時の清浄性が高いもの |
●良い2サイクルエンジンオイルとは・・・
①カブらない事
カブリはある程度オイルポンプの調整でクリアできることが多いが、高回転で適正になるようにすると、低回転やトルクの谷がある回転でどうしてもカブリやすくなるオイルがある。
②エンジンが汚れにくい事
色々なオイルを使ってきたが、高級オイルだからエンジンが汚れにくくて安モンだから汚れやすいということはないと思う。エンジンの汚れはシリンダヘッドを開けて確認するのが一番良いが、プラグや排気口を見てある程度の判断はつく。
③あまりスモークを吐かない事
あまりにスモークが出る物は気が引ける。逆にスモークの少ないオイルほどエンジンの中の汚れがキツイような気もする。燃えていないからスモークが出ないのではと思ってしまう。適度にスモークが出る方がピストンヘッドや排気ポートのデポジット類は少ないように思える。したがってほどほどのケムリを吐くものがよいかと思う。
④安い事
2サイクルエンジンオイルは消耗品なので安い事が重要な要素となります。
●お勧めのオイル
あまり定量的な比較はできませんが純正メーカー以上のものが良いと考えます。私は
カストロールがお勧めです。理由は、臭い(排気臭)が好きな事、使っていた期間はエンジンの調子が良かった事です。①カストロール
価格・性能ともに満足。全体的に調子が良かった。(FC部分合成)②ワコーズ2CT エンジンが汚れにくい。シャープな吹け上がり感。 (FC化学合成)
③ヤマハ純正 吹け上がりもよくスモークも少ない。(FC半化学合成)
④エルフモト2ECO 吹けあがりはしっとりとして滑らかな感じ。(FC)
⑤スズキ純正のCCIS 価格・性能ともに満足。なぜかバカにするヒトが多いけど価値アリ。(FC)
Update 2016/03/28 Create 2010/10/10
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