■バイク・バッテリーの基礎知識
●バイクのバッテリー
右の画像は原付スクーターのメンテナンスフリーバッテリーです。メンテナンスフリーといっても弱くなったり、上がったりする事があり、充電が必要な場合があるでしょう。
しかしながら、バイクや原付スクーターの様な少容量でメンテナンスフリーのバッテリー充電は注意が必要です。ホームセンター等で売っている自動車用の急速充電器で充電すると爆発してしまう可能性があります。
上手なバッテリーのメンテナンス(バッテリーを傷めない方法、安全な充電方法、充電器の購入)を行うには、まず、バッテリーの基本を知る事が必要です。基本を知れば、最適なメンテナンスの方法が見えてくでしょう。
●構造と放電・充電のメカニズム
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●ポイントは・・・
●開放型のバッテリーは、充電すると(完全充電に近付くと)水素・酸素ガスが発生する。それは引火性が強い。
●バッテリー液(電解液)は薄くても硫酸なので、衣服に付くと破ける。
●メンテナンスフリー(MF)バッテリーはガスが発生しにくい
メンテナンスバッテリー(MF)の場合は、完全に充電された場合でも-極板はまだ完全にスポンジ状に変化しないように設計されています。このため追充電され+極板から酸素ガスが発生しても-極板はまだ完全に充電状態にならず水素ガスは発生しません。しかも+極板から発生した酸素ガスは速やかに-極板上で充電状態の活性物質(鉛)と反応して水に戻るので、水の損失が起こりません。
●バッテリーの種類
種類 |
スターターバッテリー (エンジン始動用バッテリー) |
EBバッテリー (ディープサイクルバッテリー) |
特徴 | 短時間での高い出力が必要であり、後は低い出力で使用可能なもの | 一定の出力で長時間使用可能な事 |
主な 用途 |
エンジンを主動力とする乗り物等 乗用車、バイク、船舶、農機具、建設重機) |
電力を主動力とする乗り物等 電気自動車、電気バイク、電動フォークリフト、ゴルフカート、電動車椅子、キャンピングカー予備バッテリー、UPS(非常用バックアップ電源) |
●バッテリーのタイプと特徴
用途 | 自動車に多く使われる | バイクに多く使われる | ||
タイプ |
オープン (開放型) |
シールド (密閉型) |
||
区分 | 液栓式 | 特殊バルブ式 | ドライバッテリー | 完全密閉式 |
電解液 | 通常の電解液 | スポンジ状のマットに浸み込ませたゲル状 | ゲル状 | |
ガス放出 機構 |
常に大気へ放出(ブリーザーパイプ) | 異常時に放出(リリーフバルブ) | 無し | |
メンテナンス | 電解液の補充、比重チェックが可能 | メンテナンスフリー(電解液の補充、比重チェックは出来ない) | ||
急速充電 | 可能 | 厳禁 |
●バッテリーの寿命と劣化
バッテリーの寿命は、3年から5年といわれています。その間には以下の劣化が発生します。
サルフェーション
鉛バッテリーを放置したままにしておくと、当初は柔らかい硫酸鉛が溶解と析出を繰り返して、固く結晶化していきます。
これは一般的にサルフェーションと呼ばれるもので、サルフェーションが生成されると充電不可能な状態になります。
電池寿命の約80%以上はこのサルフェーションに起因しています。
鉛バッテリーはまったく使用しない状態で数ヶ月放置すると、自然放電により電気のない状態になってしまいます。
放電により生成される柔らかい硫酸鉛は時間の経過とともにサルフェーションとなっていきますので、本来はこまめに充電しておくことがバッテリー寿命の長期化に繋がります。
●結論 : バッテリーの上手なメンテナンス
有る程度乗らない場合は、自己放電を抑える為にマイナス端子を外しておきましょう。
長期間乗らない場合は、バッテリーを外し、こまめに充電しておきましょう。
長期間保管した後にオートバイに乗る時は、バッテリーを充電してから乗りましょう。
Update 2018/03/20 Create 2010/10/10
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